旧前田侯爵邸 [建築]
加賀百万石の前田侯爵邸は、東大の赤門の場所にある広い上屋敷でしたが、
学問の発展のために、屋敷の一部を東大医学部の建設用地に提供しました。
さらに、東大が手狭になったので、1926年駒場の帝大農学部の一部と本郷の
屋敷を等価交換し、前田家は駒場に英国風の屋敷を新築したのです。
玄関前に、バラがいっせいに咲く春は訪れる人が多いそうですが、冬は閑散と
していました。館内は見学ができます（入場料無料）。「ご案内いたしますよ」と、
係の方が案内してくださいました。
写真撮影も可なのです。
玄関ホールの横のコーナーは、ステンドグラスがアクセントになっています。
夫人のお客様用の部屋は、女性用に華やかで優雅なインテリアです。
マントルピースはイタリア産大理石で、上部にはアーチ型の装飾の鏡があります。
18名用の大食堂です。壁が木なのは、音が跳ね返って、人の声がよく聞こえるように
とのことだそうです。各部屋に合わせてマントルピースがそれぞれ趣向がこらしてあります。
前田家の家紋の梅の花がレリーフになっていたり、日本古来の菊の花がレリーフだったり
しています。
大食堂に続く部屋は、食事準備室で、この大きな戸棚は開けると、地下の台所
から料理を運ぶ昇降機になっているのだそうです。
御当主16代前田利為の書斎です。当時としては珍しい館内電話が８台あり、交換手
がいたそうです。ちなみに前田家の使用人は当時１３６名で、邸内に住むだけでなく、
屋敷周りは、全部、使用人の家だったそうです。
庭につながる1階のテラスです。重厚な唐草模様のランプがしゃれています。
２階は、家族それぞれの居室があります。
ご夫婦の寝室の家具は、英国で調達したものです。
前田利為は、英国に留学をしていました。
各部屋とも、細部まで、神経がいきわたった装飾です。
長女の居室は、少女らしく可愛くということで、照明に小さなシャンデリアが
垂れ下がっています。一方、客間のシャンデリアは豪華です。
和風の照明もありました。
床のモザイクを見せるため、絨毯を敷き詰めずに、見えるようにしています。
この邸宅は、1929年に完成し、外国のお客様を招くこともできる東洋一の邸宅
だったそうです。しかし、陸軍大将だった御当主が第二次世界大戦で亡くなり、
戦後は米軍に接収され、空軍司令官の官邸でした。
昭和32年に接収が解除され、国から都が借り受け、現在、屋敷周りは都立
駒場公園になっています。
公園側から見た前田邸です。松の木は、接収解除の記念に植えたもので、
星条旗が立っていた場所だそうです。
前田侯爵の名は聞きますが素敵な佇まいで
綺麗に手入れされていて豪華で素晴らしく心地よさそうですね。
by 旅爺さん (2012-01-09 17:33)
旅爺さん、コメントありがとうございます
前田侯爵のお屋敷は、今は東京都の管理です。
この洋館のほかに、和室の和館もあります。
長くなるので、そちらの写真は載せませんでした。
by micky (2012-01-09 20:21)
こんにちは
何度か伺いました。懐かしいです。日本近代文学館が主目的でしたが。近いので何時でも行けそうですがなかなか機会がありませんね。
by ゆきゆき (2012-01-10 15:46)
ゆきゆきさん、コメントありがとうございます。
ゆきゆきさんのお宅からは便利な場所ですね。
私は、初めて行きました。駒場の辺りは昔、国有地だったのですね。
そういえば、日本近代文学館が隣にありました。明治の文豪の資料が
そろっているのでしょうか。今度、行ってみたいです。
by micky (2012-01-10 23:02)
mickyさん、ご挨拶遅れましたが今年もよろしくお願いしますです（＾＾。
庭園美術館の旧朝香宮邸が質素に感じられる程までに豪華な洋館ですね。
そう云えば鎌倉の旧前田邸も現在は鎌倉文学館。で、こちらもすぐ隣（同一敷地？）が日本近代文学館。これって単なる偶然なんですかね？？？。
by yk2 (2012-01-10 23:30)
yk2さん、こちらこそ、よろしくです。
調べてみたら、庭園美術館は前田邸の8年後に建ったのですね。
前田邸は、チューダー王朝様式だから、尖塔があって、外観に風格がありますね。
赤坂プリンスホテルの旧館も、尖塔があるチューダー朝スタイルでした。
鎌倉は、前田家の別荘で、バラが綺麗なので有名ですね。バラはチューダー王朝の
紋章がバラだから、とわかるけど、文学館との関連性は、全く、わからないです。
by micky (2012-01-13 00:13)
おはよう御座います。
寒い日が続きますが、その後は何を楽しまれてますか？
by 旅爺さん (2012-01-16 07:15)
旅爺さん、コメントありがとうございます。
返事が遅くなりました。冬はお花が少ないし、寒いし、ですね。
次は、ろう梅を見に行きたいです。
by micky (2012-01-18 23:43)